億単位の売り上げを達成する、精神疾患当事者スタッフ50名へのマネジメント法について

さて、さて今回はアスタネのマネージャー(以下、MGR)に何度かインタビューしていた、

メモをいよいよ記事にしてみようと思います。

思えば、「脱力した状態でなぜ結果がでるのか」「クリエイティブなのか」という問いから始まりました。

元ドーナツ屋の店長と元海外NGO職員がタッグを組み、行っているマネジメントについてまとめてみました。

内発的動機づけが機能するチームを作る

てつじん
チームのマネジメントについて、常に意識していることはなんですか?
アスタネMG
みんなで目標に向かって動いていけるようなチームビルディングってどんなのだろう?、どうやったらスタッフがアスタネの事業にコミットして主体的に動けるようになるか、とかですかね

内発的な動機づけでスタッフがいきいきとしている状態を目指しています。

てつじん
な、な、内発的動機づけってなぁに・・・

よくよく聞いてみると、下記のこと

すべて簡単にいってしまうと….

  1. 有能感:”自分はできるんだ”という感覚が備わっていること
  2. 自律性:受け身にならずに、自分ら行動ができること
  3. 関係性:周囲と良好な関係があり、心理的な安全性が確保されていること

この3要素をバランスよく育て、保つことだそう。

そうすることで、

褒められるからする、お金もらえるからやるっていう、
単発的・短期的なモチベーションから、

結果が出てうれしいとか、全体に貢献できたとか、やりがいを感じたなど、
長期的なモチエーションに変換される ということでした。

ちなみに今回の参考文献はこちら。

内発的動機づけについて意識しているアクション

アスタネMG
特に、雰囲気作りは本当に重要だと感じてます。アスタネは50人近いスタッフがいるし、職員で全部管理するのは難しいし、非効率だと思うので。基本的にみんなやる気はあるし、やりたいって思ってる、と思ってるし、もちろん強制はしないし、いかにそういう気持ちを引き出すか考えてますね

自律性 に関して

  1. いつも意識していることはレスポンスのスピードですかね。レスポンスのスピード意見が出た時に、やれるかどうかは別として、受け入れて答える。そうすると、この職員は聞いてくれる!ってなって、意見をみんなが隠さずに出せるようになる。
  2. 自律性を引き出す去年の最初のころ、スタッフの人たち同士で休憩時間とかに、こうすればもっといいのになぁとか話してるけど、それをアクションに変えられてない時期ありましたね。そのとき特に意識して小さな意見を拾い上げてとりあえずすぐ実行する、ってしていきましたね。職員がするというより、スタッフが動けるように環境をすぐ作るって感じでやってましたね。そうやってると、スタッフからの意見もどんどん増えてきて、自分たちで考えて動いていくっていう土壌が徐々にできてきましたね

有能感

  1. 自律性をよくしていくと、自ずと結果が出てくる。有能感を感じられる
    1. しっかりと有能感を感じてもらうために、会社のビジョンや理念を共有するし細かい、目標数字や今どのくらいの数字を達成しているのかを開示している
    2. みんななんとなく同じ方向を向いていると思えれば、いろんな意見が出ても、視点が違うとか方法が違うとかいう風に受け入れることができて建設的に話ができるんじゃないかなぁと思っています。
    3. プラスのフィードバックをもっとしっかりしていくとか、結果のレスポンスを明確に素早くやっていくとか必要かもと考えています。

関係性

  1. 他にもいろいろあると思うんですが、スタッフの連絡先交換をありにしたのも関係あるかもしれません。それまでは連絡先交換は禁止だったけど、職場って考えたら、あえて禁止する必要ないんじゃないかってことで、みなさんにお任せしたんです。
    1. そこからスタッフ同士遊びに行ったりもするし、女子会とかも開かれてるし、職員とも飲みに行ったりもするし、チームって感じは出てきたかも。
    2. 報酬も基本的に差をつけない

月に一度の1on1

仕事へのモチベーションや、動機づけの部分に関してはここで調整します。

いまいち事業にコミットしきれてなくて、主体的に動けてないスタッフの人たちの動機づけを丁寧に見ていきます。

土台となる心理的安全性・フラットな雰囲気作り

実際まだまだ考えた意見を自由に言えない人もいると思うので、課題は多い。

どんな意見を言っても、”誰も否定はしないようにする”というルールは決めているが、まだまだ発展途上。

心理的な安全性が確保されていない状況が見受けられる時は、

意見が出たら否定せずにすぐ実行してみるっていうのは大事にしてる

誰も絶対的な答えを持っているわけではないと思うし、実行してみるっていうのは受け止められたということでもある

共通項にしているアサーション

コミュニケーションのとり方として、「アサーティブなコミュニケーション」をとってもらうようにしています。

  • アグレッシブ(攻撃タイプ)
  • ノン・アサーティブ(非主張タイプ)
  • アサーティブ(攻撃的タイプと非主張タイプの黄金比)⇦ココ‼

アグレッシブ型やノン・アサーティブについては読者のみなさんも少なからず遭遇したことがあると思うので割愛します。

【アサーティブの特徴】

  • 自分の気持ちを率直に伝えつつ、なおかつ相手の気持ちも考えられる
  • 相手も自分も思いやる表現を適宜選択できる
  • アサーティブ型になることを人に薦められる

特に年齢の幅が20代~50代までいるので、組織風土がフラットになることを意識していますし、

年齢が高い人ほど、正しいことを攻撃的に言いがちな傾向

これはどこにってもあるので、アサーションを心がけていただいています。

おすすめしているのはこちらの本、心理学者の平木先生が書いてくださっています。

意識しているのはファシリテーション、職員は脱力していい

ミーティングの下準備

スタッフに行ってもらうミーティングについては、

どういう意味のミーティングなのかとか、大まかな方向性とかは事前にすごく話し合うし、

そのテーマで中核になりそうなスタッフとも事前に話はたくさんしています。

実際のミーティングについて

  1. 誰が言ったか、で話の意味合いは変わってくるというのは意識してる。誰から誰へ伝えられ、どのように影響されているかは観察しメモなどを残しておく
  2. アスタネの場合、どうしてもスタッフと職員っていう立場の違いっていうのがあって、スタッフが受け身になる傾向がある。だからこそ、MGRは脱力し職員の主体性を引き出す
  3. MGRが発言をするにしても、事前にスタッフに伝えMGRの発言とともにスタッフが意見できるようにする

そもそもみんなすごい考えているんで、1人で考えるより、複数で考えた方が良い方向に動いていくと思うし、

人の意見を聞くことで新たなアイデアが生まれたりすると思うんで、そういう環境をたくさん作りたいなぁと思っています

MGR:nの構図ではなく、ネットワークの密度を意識して作る

ネットワークの密度というのも、心がけています。

上意下達にならないよう、チーム間同士の交流やアイディア出しも頻繁に行われることを特に意識しています。

これまではスタッフ同士で連絡先を交換することや飲み会を行うことも禁止されていましたが、そういったことは個人の事情に起因するということで、

名目上、禁止を撤廃しました。

とにかく、毎日仕事場に来て、

同じ部署に人、同じ場所でしか過ごさない

ということが、自然に発生しないようにしています。

そうしないとやっぱり、縄張り意識も生まれますし、多様な意見が生かされなくなってしまいます。

ネットワーク効果の説明

ちょっとここでネットワーク効果についての簡単な説明図について挟んでおきたいと思います。

  • 以前のチームコミュニケーション図
  • ネットワーク=組織図
  • ネットワーク効果はゼロに近い
  • 良いアイディアをくみとるかくみとらないかは上長一人のみ。エラー確率は高い
  • ネットワーク効果改善後の図
  • ネットワーク効果は50%程度
  • 良いアイディアを汲み取る可能性が組織全体で存在する。エラー確率は低い

余談:ちなみに途上国での経験って今の仕事にどう生かされているの?


てつじん
ちなみに、途上国で働いていた経験って、どういきてるんですか??
アスタネMG
途上国では基本的に外部者ということを意識していて、自分がいなくても現地の人たちがお互いコミュニケーションを取りながら、試行錯誤して、学習しながら、発展していける持続可能な事業にしたいと思って動いてきました。外国人が入ることで、繋がれる人もいるので、いろいろな人と現地の人を繋いでいったり、何か面白いネットワークができそうな環境に参加できるように調整をして、スタッフのモチベーションを上げていったりしていました。そういう意味では今のアスタネでやっているスタッフのコミュニケーションを促進させて、自分たちでどんどん動いてもらえる環境を作っていくっていうのにいきているとと思います。

参考になったワード:参加型開発、ソーシャルワークのグループワーク、行動経済学参考文献     :PLA

アスタネMG
ラオスで活動してたとき、現地の人たちは義理も人情もないなぁと思ってたんです。完全利己主義で動くというか。親切にしてくれても必ず見返りを期待しての行動、つまり投資って感じで。でもそれなりに長く付き合っていると、親族っていうコミュニティが強固で、それが経済的なベースでもあるから、それの中ならほとんどお金もノーチェックで流動的で見返りは期待していないなぁと思ってきたんです。
アスタネMG
もう一方で仲間内での競争はすごい嫌がって、サボってる人がいても人前では絶対叱っちゃだめとかがありました。それで、目標は絶対個人に落とし込まず、チームの目標にして、合理的に全体の売り上げによって変動する給料体系を作って、がんばれば自分たちの得になるようなインセンティブをつけたりしていました。
そう考えると、当たり前だけど、人は意思決定の特徴を持っているし、完全合理的に動くわけではなくて、バイアスがかかったり、葛藤の連続から意思決定されていくんですよね。そうやって考えてきたことが生かされていると思います。

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